入居後の追加工事

新築計画中、家族構成やご希望はもちろん、これからの暮らし方や趣味などなど色々なお話をしながらプランや仕様をまとめていきます。


もちろん予算ありきのことですので、限られた予算をどこに掛けるか、どこを抑えるかということも皆さん共通の打合せ内容です。


例えば延床30坪前後の2階建てでご夫婦+お子さん2人(共に未就学)の住まい。1階にLDKと水回り、2階に主寝室+子供室×2とWICという構成の間取り。

こういった構成の場合、高い確率で2階は完全に家族メインのフロアとなります。

なので1階の収納と違い、2階は収納の建具を無くしてしまうこともあります。

2階ホールの収納

建具は無く、カーテンレールのみ設置



また、子供室が2つ並んでいて、お子さんたちが小さければ子供室の間仕切り壁も将来必要になったら作ろうというケースも多いです。

2部屋つながっている2階子供室



コスト面では、

建具を無くすだけだと単純にコストカットになりますし、建具の代わりにカーテンやロールスクリーンを付けたとしても建具よりは安価に済みます(収納のカーテンによほど高価なものを選ばなければ)


間仕切り壁を将来施工にする場合は、新築時に壁をつくっておいた方が安価で済みます。

将来追加工事にした方が正直高いです。


ではなぜこの2つが多いのか、それにはやっぱり理由があります。


まず収納の建具ですが、布団や季節外のものを仕舞う押入的な収納の場合、建具だと締め切ってしまいがちですが、カーテンやスクリーンなら開けておく方が多くなるようです。

その方が収納内も換気が出来て湿気が溜まりにくくなりプラスポイント。


加えて、新築からの入居後はまだ荷物が少ないため、収納するものも一番少ないタイミングです。

どこにどうしまうかを暮らしながら考えるとなると、カーテン類も新築時には取り付けず、使い方が定まってからというケースも多いのです。そうすると開けておくことにさらに慣れますから、取り付けた後もしっかり換気するんですね~



前提として、2階は家族メインのフロアと書きましたが、お客さんに見られる心配がないからじっくりできるわけです。


でも毎日目に触れる場所ですから、皆さんそれなりにしっかり荷物を整理して収納されています。


最初から扉や目隠しがあったら、雑多に放り込んでしまっていたかもしれません⁉



先月、僕らの建築実績『松海が丘の家』の住い手さんから、「そろそろ収納にカーテンを付けたいと思っています」ご連絡をいただき、伺いました。


入居からもうすぐ3年になるタイミング、暮らしも落ち着き、ある程度収納の使い方も決まってきたようです。



『松海が丘の家』2階収納:竣工時



改めて採寸と、ご希望をお聞きしながら大まかなお見積をお伝えし、新築時もカーテンをオーダーしたカーテン屋・ルームワンさんへ生地選びに。


商品が納品され、今月初旬に取付させていただきましたが、「良いですね~、すっきりして雰囲気変わりますね~!」と、感激もやってきます笑

新築時にお預けになっていた(というわけではありませんが)喜びが、数年後にやってくることは副産物です。



『松海が丘の家』2階収納:竣工から約3年

ロールスクリーン取付後



こうした変化が加わっていくと、また整理を頑張ろうという気持ちも増すんだと思います。

因みに今回はロールスクリーンを取り付け、費用は新築時の建具と比べ約半分で済みました!




続いて子供室の間仕切り壁


床面積15坪程度で主寝室と子供室2室+WIC(+トイレ)をつくるとなると大体寝室が7帖前後、子供室は4.5帖~5畳程度が2室となってきます。

お子さんたちがまだ小さく、布団4枚並べてみんなで一緒に寝るとなると、子供室を2つつなげると9~10帖となり、寝室より広いワンルームが出来ます。

この観点から、新築時の費用が幾分抑えられるとはいえ、費用は後で壁をつくった方が掛かってしまうとなってもそれを上回る大切な家族時間が得られるわけです!

ちょっと書き始めのコストカットという観点からは若干ズレますが、一応新築時の費用減になっているのでご容赦ください。。


ただ、あとから工事となるとご家族の気持ちや価値観も変わってくるようで、新築時の打合せでは将来つくる仕切り壁もその周りの壁と同じようにつくるというような話をしていたと思いますが、ちょっと想像以上のリクエストをいただく事もあります。


こちらは、今年の春先に「子供室の間仕切り壁工事」のご依頼をいただき、6月に施工させていただいた西区のNさんの家(2015年、ジンロクこと渡辺義行建築設計事務所が設計に携わった住まい)

この工事の過去の投稿はこちら

↓↓↓

リフォーム | 子供室間仕切り壁施工



リビングの一角に1.5帖ほどの畳スペースがあり、そこの腰壁がシナ合板仕上げでした。

リビングの一角、1.5帖のタタミコーナー



奥さんがその壁の雰囲気が好きだということと、ビニールクロスで仕上げるより雰囲気が良くなって、後々DIYで壁に自由に棚などをつくれたら、、、

というご希望から、ラワン合板仕上げの間仕切り壁となりました。



DIYはもともとやっていたわけではなく、この家に暮らし始めてから始められたそうで、プランターカバーや棚なども奥さんが趣味で頑張ってつくっていました(これがなかなか上手くて感心します!)


DIYが出来るということで、塗装工事をセルフでやっていただけたことから、施工は大工さんだけの一業種で済んだ分、安価で済むクロス仕上げと比べてもそこまでコストは上がりませんでした。


恐らく新築時にこの壁をつくっていたら、この仕上にはなっていなかったと思います。

少しコストに割り増しがあったとしても、これまでの使い方と全く印象が変わった個室の出来上がり、お子さんとDIYで塗装を楽しめたことを考えると、十分なコスパではないでしょうか!?


また冒頭のコストカットの話からはそれてしまいましたが、追加工事としたことのメリットがあったことについて、共感いただけましたら幸いです。




長くなったのでリンクを貼って説明は過去の記事とさせていただきますが、2021年末に同じく子供室の間仕切り壁をつくらせていただいたもの。


こちらはもともとクローゼットがつくれるスペースも考慮していましたが、通常のクローゼットではなく家具などの下地材として使われるパーティクルボードを利用し、収納兼間仕切り壁をつくった事例です。

この工事の過去の投稿

↓↓↓

子供室の間仕切り工事①

子供室の間仕切り工事②


新築の計画時に

「あれもあった方が良いかな」

なんて考えがちですが、

「あった方が~」という思いで用意したものが意外と後々になってから

「なかった方が~」とか、「こうしておけばよかった」

につながる事が多いように思います。。


もちろん詰め切らなければいけないところは徹底的に新築計画時に検討が必要ですが、暮らし方や使い方が定まっていないところは後でも対応できるようにしておいて、暮らしが始まってから手を加えていくというのもおすすめです。


と、今日は住んでからの暮らしに合わせた追加工事の話でした。


佐藤







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